痛風 酒 プリン体

プリン体の少ないお酒、焼酎やウイスキーなら痛風の人も大丈夫って本当?

痛風の人が気を使うプリン体の摂取量。プリン体はほとんどの食べ物の含まれていますが、その含有量は食べ物によってさまざまです。このため、痛風の人にとってプリン体含有量の高い食べ物は要注意です。

 

そこで気になってくるのがアルコールです。実際に痛風の人にはお酒好きが多く、お酒にプリン体はどれだけ含まれているのか気になるところです。

 

プリン体といえばまず思い浮かべるお酒はビールではないでしょうか。ビールを飲み過ぎると痛風になると思っている人も少なくありません。ビールの100mlあたりのプリン体含有量は約5〜7mg程です。これでは多いのか少ないのか分かりませんね。

 

他のお酒のプリン体含有量を調べてみると、焼酎は100mlあたり0.03mg程、ウイスキーは100mlあたり0.1mg程しかありません。このため、痛風が心配な人はビールではなく焼酎やウイスキーを飲めば大丈夫とよく言われています。

 

でも、ここでお酒に限らず他の食べ物に目を向けてみると、プリン体含有量の多いと言われている干しシイタケや煮干し、レバー、カツオ節などは100gあたり300mg以上含まれています。

 

あれ?これと比べてみると、プリン体が多いと言われているビールのプリン体含有量って少ないですよね。

 

もともとビールが痛風に良くないと言われるのは、アルコール類の中ではビールがプリン体含有量が非常に高いため、お酒を飲むならビールは他のお酒に比べてプリン体が多いことからだと考えられます。

 

ということは、痛風でもビールは大丈夫なんでしょうか。ビールよりプリン体の少ない焼酎やウイスキーならいくら飲んでも問題ないのでしょうか。

 

答えはノーです。実は、アルコールに関しては、痛風への影響はプリン体含有量だけではないんです。アルコールを摂取すると、アルコールを分解する際に尿酸が生成され、さらに尿酸を体から排出する働きを阻害してしまうことから、体の尿酸値濃度が上がってしまいます。このため、ビールだけではなく、プリン体含有量の少ない焼酎やウイスキーであっても、たくさん飲んでも大丈夫ということはないんです。

 

あくまで適量のアルコールであれば問題ありませんが、プリン体が少ないからといって焼酎やウイスキーを飲み過ぎるのは禁物なんです。

 

 

痛風の人にアルコールはダメ?プリン体が少ない発泡酒はどうなの?

最近はビール会社の研究により、カロリーゼロ、プリン体ゼロのビールが各社から販売されるようになりました。以前から痛風の患者さんや尿酸値が高い人にとってアルコールは厳禁というのが暗黙のルールでしたが、今はプリン体ゼロのビールが出たことから安心してアルコールを楽しむ人が増えています。

 

プリン体ゼロのアルコールはビールだけではありません。今はプリン体が少ない発泡酒も多く販売されています。そもそもビールと発泡酒の違いというと、使用している原料である麦芽の量の違いにあります。簡単に言うと、麦芽の量が多ければビールで、少なければ発泡酒ということです。それ以外のアルコールの度数やカロリーなどは比較的ビールと発泡酒で違いはありません。

 

ビールに比べてプリン体が少ない発泡酒、という認識を持っている人が多いですが、実際に数値で比較すると分かりやすいです。ビールの場合は100ミリリットルあたりに含まれるプリン体は5ミリグラムほどですが、一方の発泡酒は同じ100ミリリットルでも2ミリグラム程度です。つまりアルコール自体に含まれているプリン体の量は発泡酒の方が半分以下ということです。

 

それなら安心してプリン体の少ない発泡酒を飲もう、という安易な考えは非常に危険です。というのは、プリン体だけで比較すると発泡酒の方が含有量は少ないですが、甘味料などの添加物が多く含まれている可能性があるのです。

 

また、アルコールに含まれているプリン体も問題ですが、それ以上に問題なのが、アルコールを飲むことで体内で大量に生成されるプリン体です。つまり、ビールでも発泡酒でも、量をたくさん飲めば体内で大量にプリン体が生成されてしまうのです。

 

目安としては、ビールでもプリン体の少ない発泡酒でも、一日あたり一缶あたりに抑えておくといいです。それ以上になると、体内にプリン体が大量に生成され、痛風の症状を悪化させる原因になります。プリン体ゼロの言葉だけに惑わされないで、規則正しい食生活をすることが症状を悪化させない一番の方法です。