酒粕 プリン体

酒粕はプリン体が多い?実は痛風によいのかも

痛風で悩んでいる方はプリン体を制限されると思います。プリン体が痛風の原因となる尿酸に分解されるからです。そのため、プリン体が多いアルコールの摂取を控えていると思います。

 

酒粕にもアルコールが含まれているので、プリン体が多い気がしますよね。しかし、酒粕は痛風の予防が期待できるのです。

 

酒粕は粕だと思ったら大間違いです。酒粕には血中コレステロール値を低下させる働きがあるのです。男女12名に酒粕50gを甘酒状にして3週間摂取してもらった試験では、LDLコレステロールが平均で8.2低下したと報告されています。

 

酒粕でLDLコレステロールの値が低下するのはレジスタントプロテインという成分の働きです。レジスタントプロテインは消化されにくいタンパク質のことで、食物繊維のように働きます。

 

レジスタントプロテインには食べたものの油を捕まえる働きがあり、便と一緒に排泄をしてくれます。胆汁が排泄されることで血液中のコレステロールが胆汁の生産のために使われ、血中コレーステロール値が低下します。

 

また、食べたものの油の排泄を助けるので肥満の予防にもなります。痛風はプリン体を制限するよりも、肥満を解消することが大切です。肥満になると中性脂肪が増え、中性脂肪が尿酸の生成を促すからです。酒粕の力でLDLコレステロールの低下、肥満の解消につながり、痛風の予防が期待できます。

 

レジスタントプロテインは酒粕の原料になる米にも含まれています。しかし、米ではこの働きは期待できません。それはなぜでしょうか。

 

酒粕は麹菌や酵母の力で発酵してできます。発酵される過程で米に含まれる炭水化物やタンパク質が分解されていきますが、レジスタントプロテインは消化されにくいため残ります。そして、レジスタントプロテインが表面にむき出しになって効果が発揮されやすくなるのです。

 

試験では1日50gの酒粕を摂取してもらっていたので、1日50gを目安に摂取するとよいでしょう。甘酒、酒粕焼き、味噌汁に入れるなどすると摂りやすいでしょう。